原因

花粉症とは、鼻に入ってきたスギやヒノキなどの花粉に対する免疫反応によって鼻水やくしゃみなどの症状が引き起こされることをいい、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。目のかゆみや充血、涙が出ることもあり、目に関しては季節性アレルギー性結膜炎とも呼ばれています。

飛散時期

※画像は「https://www.ssp.co.jp/alesion/hayfever/calendar/」から引用

花粉は地域によって飛散時期が違いますが、ここでは主に関東地方における花粉の飛散時期を上記に示しました。

スギ花粉が2月から4月まで大量に飛散し、3月と4月にはヒノキ花粉まで大量に飛散します。症状がひどい方だと、梅雨が始まるまで花粉症の症状に悩まされます。8月からはブタクサの花粉が10月はじめまで大量に飛散します。花粉症にはハウスダウスが併発していることもあるため、症状が強い方は通年性アレルギー性鼻炎であることもあります。

症状と発生頻度

花粉症の主な症状と発生頻度を下記にまとめました。風邪症状と違って、発熱や頭痛、喉の痛みは花粉症ではみられません。

症状発生頻度
くしゃみ55.2%
鼻水57.8%
鼻づまり44.2%
目のかゆみ50.8%
目の充血29.3%
のどのかゆみ21.9%
花粉症患者実態調査報告書(平成29年12月発行)より抜粋

花粉症で使われるお薬

抗ヒスタミン薬

花粉が鼻や目の細胞内の細胞にくっつくと、ヒスタミンやロイコトリエンなどが放出されます。ヒスタミンなどの物質が鼻や目の神経や血管を刺激して、花粉症を発症させます。ヒスタミンがくっつくH1受容体を抗ヒスタミン剤で塞いでおくことで、花粉症の症状緩和ができます。よく使われている抗ヒスタミン薬は第二世代抗ヒスタミン薬で、このタイプは比較的眠気が少なく、即効性があることが特徴です。
※下記の用法・用量は成人用です。

フェキソフェナジン
(先発医薬品名:アレグラ)

【用法・用量】

1日2回 1回1錠(1錠中フェキソフェナジン60mg)

【解説】

フェキソフェナジンは処方せんがなくても買える代表的な抗ヒスタミン薬です。すでに通販でも買える抗ヒスタミン薬でもあります。眠くなりにくいというメリットから、作業効率を落とさずに花粉症をやり過ごすことができます。飛行機のパイロットにも服用許可が出ているほど、鎮静作用(眠気)が少ないことがメリットです。あまり知られていない話として、高脂肪食(焼き肉や二郎系ラーメンなど)、フルーツジュース(リンゴやオレンジジュース)と一緒に服用すると、吸収率が落ちて、フェキソフェナジンの薬効が出にくくなってしまいますので、服用前後2時間あけて飲食するといいでしょう。

【予算感】

1ヶ月で900円程度

エピナスチン
(先発医薬品名:アレジオン)

【用法・用量】

1日1回 1回1錠(1錠中エピナスチン20mg)

【解説】

1日1回でOKな抗ヒスタミン薬です。フェキソフェナジンに比べてしっかり効きます。眠気も出る人にはやや出るくらいです。夜寝る前だけ飲んでいれば花粉症をやり過ごせるため、忙しい方にはお勧めです。市販薬でもアレジオンのジェネリック的存在が購入できるため、経済的です。腎臓が悪くても常用量で使用できることもメリットの一つです。

【予算感】

1ヶ月で600円程度

セチリジン
(先発医薬品名:ジルテック)

【用法・用量】

1日1回 1回1錠(1錠中セチリジン10mg)

【解説】

一日一回でしっかり効果が出るお薬です。眠気もその分出ますが、後述のアレロックよりは控えめです。後継薬にザイザルがあります。こちらで服用が殆ど出ていない場合は、セチリジンを一度試してもいいです。市販薬でも同効薬が販売されています。こちらはまだネット上ではジェネリック医薬品が販売されていないため、当薬局の薬剤師と相談してセチリジンを使用していただいたほうが時間的に経済的にも良い結果をもたらせます。

【予算感】

1ヶ月で300円程度(ジェネリック医薬品使用の場合)

オロパタジン
(先発医薬品名:アレロック)

【用法・用量】

1日2回 1回1錠(1錠中オロパタジン5mg)

【解説】

オロパタジンは第二世代抗ヒスタミン薬でもしっかり効いて、眠気もやや出やすいですが値段はかなり安く、副作用がない人ならかなり経済的なお薬です。1日2回服用するので、やや使いにくいですが、しっかり効きます。オロパタジンでも効果不十分の場合は、別の系統の抗ヒスタミン剤か、ロイコトリエン系を組み合わせるかなど、複数の視点からアプローチする必要があるでしょう。

【予算感】

1ヶ月で600円程度(ジェネリック医薬品使用の場合)

その他の抗ヒスタミン薬

ロラタジン(クラリチン)、エバスチン(エバステル)、ベポタスチン(タリオン)は処方箋がなくても購入することができます。

レボセチリジン(ザイザル)、デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア)、ルパタジン(ルパフィン)は処方箋が必要な医療用医薬品で、効き目がしっかりしていて眠気も少ないです。フェキソフェナジンと点鼻、点眼をしっかり使いこなせば処方箋が必要な抗ヒスタミン薬は不要なことが多いです。

また、抗ヒスタミン薬は3系統あり、①三環系、②ピペリジン骨格、③ピペラジン骨格の3種類に分類されます(②と③はほとんど同じです)。エピナスチン(アレジオン)なら三環系に分類され、エピナスチンが合わない方だと、ピペリジン骨格であるセチリジン(ジルテック)を使うと効果的な場合があります。逆に、ロラタジン(クラリチン)はエピナスチン(アレジオン)と同じ三環系の骨格を持つため、アレジオンと同じような結果になると考えられます。もちろん、同系統でも効き目や眠気が違ってくるため、患者さんごとにお話をきいて、症状に合わせてお薬をご用意致します。下記は代表的な抗ヒスタミン薬の骨格分類です。

抗ロイコトリエン薬

鼻づまりがひどい場合は抗ロイコトリエン薬を検討します。ロイコトリエンとは、血管を拡張させて、鼻づまりを起こす化学伝達物質です。鼻づまりに関しては抗ヒスタミン薬よりも有効で、眠気の副作用もないことが特徴です。ロイコトリエンは気道の炎症を増大させて気管支喘息を引き起こすこともあるため、抗ロイコトリエン薬は気管支喘息予防薬としても使用されています。

プランルカスト
(先発医薬品名:オノン)

【用法・用量】

1日2回 1回1錠(1錠中プランルカスト225mg)
※錠剤タイプとカプセルタイプがございます

【解説】

抗ヒスタミン薬と併用できるタイプの花粉症のお薬です。1日2回服用します。鼻づまりに効くので、鼻づまりがひどい人にはおすすめです。眠くならない成分です。抗ヒスタミン薬との併用はその分費用がかかりますが、しっかり効果を出すことができます。鼻づまりから副鼻腔炎になってしまう方もいらっしゃいますので、ピーク時に鼻づまりでつらい方は使用を検討します。

【予算感】

1ヶ月で2400円程度(ジェネリック医薬品使用の場合)

モンテルカスト
(先発医薬品名:キプレス / シングレア)

【用法・用量】

1日1回 1回1錠(1錠中モンテルカスト10mg)

【解説】

抗ヒスタミン薬と併用できるタイプの花粉症のお薬です。プランルカスト(オノン)と違い、1日1回で鼻づまりに効きます。眠くならない成分です。抗ヒスタミン薬と同時に服用できるので、花粉症で鼻づまりがひどい場合に使用を検討します。こちらのほうが経済的です。

【予算感】

1ヶ月で600円程度(ジェネリック医薬品使用の場合)

点鼻薬・点眼薬

鼻づまりや目のかゆみは点鼻、点眼薬で症状を緩和することができます。点鼻薬では外用ステロイド剤が眠気も少なく、ピーク時の花粉症のコントロールをかなり効果的に行うことができます。点眼薬に関して、2week以上のソフトコンタクトレンズを使用されている方は使用制限がございますので、使用している銘柄の添付文書の「ソフトコンタクトレンズ分類」のグループを確認しましょう。

フルチカゾン
(先発医薬品名:フルナーゼ)

【用法・用量】

1日2回 各鼻腔に1噴霧ずつ(フルチカゾンとして50μg)

【解説】

ステロイドが入っている点鼻薬です。局所的にステロイドを使用する分には問題ありません。眠気もなく、鼻水、鼻づまり、くしゃみを改善することができます。眠気の強い抗ヒスタミン薬を使う前に、まずはフルチカゾン(フルナーゼ)を検討いただいたほうが安全でしょう。医師の処方箋か、要指導医薬品として薬剤師対面でしか入手できない点鼻液です。

【予算感】

1ヶ月で960円程度(ジェネリック医薬品使用の場合)

ケトチフェン点眼液
(先発医薬品名:ザジテン点眼液)

【用法・用量】

通常1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

【解説】

抗ヒスタミン薬であるケトチフェンを含有している点眼液です。目のかゆみを抑えてくれますが、防腐剤としてベンザルコニウムが入っているため、ソフトコンタクトレンズ分類のグループⅢ、Ⅳに該当する場合はソフトコンタクトレンズを外してから使うことになります。グループI、Ⅱの場合は非イオン性のため、ベンザルコニウムが吸着しないため、そのまま点眼できます。

【予算感】

1ヶ月で270円程度

アレジオン点眼液

【用法・用量】

通常1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

【解説】

抗ヒスタミン薬であるエピナスチンを含有している点眼液です。防腐剤にベンザルコニウムが入っていないため、ソフトコンタクトレンズを着用したまま点眼することができます。ソフトコンタクトレンズの相性は考えなくてもよいことは利点ですが、分類次第では装着していても使えるものがありますので、薬剤師が銘柄をお伺いして、他の点眼薬を勧めることがございます。

【予算感】

1ヶ月で3390円程度

その他の点鼻薬、点眼薬について

点鼻薬として、ケトチフェン点鼻液、プリビナ液などがございます。処方箋が必要な点鼻薬として、アラミストやナゾネックスがございます。
点眼薬として、パタノール点眼液、リザベン点眼液、フルメトロン点眼液などがございます。

まずはご相談ください

ちょっとした症状の緩和に、どんな薬を使ったらいいか迷ったり、どんなものがあるかよくわからなかったりするときは、薬局で対応できることも多くあります。その他に、健康診断の結果や、サプリメントやケミカル品のご相談まで広く承っておりますので、ぜひ当薬局までお気軽にご相談くださいませ。